【徹底解説】ぎっくり腰の原因と予防法を理学療法士が解説

「ぎっくり腰」を経験したことはありますか?

魔女の一撃と呼ばれるほどの激痛が突然起こりますが、医学的には「急性腰痛症」と呼ばれます

少し細かい話をすると、「ぎっくり腰」とは俗称で、急性腰痛症の一つの形態になります。

とても激しい痛みが特徴になるので、できれば経験したく無いですよね。。

そこで今回はいわゆる「ぎっくり腰」について、医学的情報に基づいた原因や症状、予防法などについて理学療法士の視点で詳しく解説していきます。

ぎっくり腰について

「ぎっくり腰」ですが、日本整形外科学会では

ぎっくり腰

いわゆる「ぎっくり腰」は急に起こった強い腰の痛み(腰痛)を指す一般的に用いられている名称(通称)で、病名や診断名ではありません。何か物を持ち上げようとしたとき、腰をねじるなどの動作をしたときなどに起こることが多いですが、朝起きた直後や何もしないで起こることもあります。痛みの原因はさまざまで、腰の中の動く部分(関節)や軟骨(椎間板)に許容以上の力がかかってけがしたような状態(捻挫、椎間板損傷)、腰を支える筋肉やすじ(腱、靱帯)などの柔らかい組織(軟部組織)の損傷などが多いと考えられます。

と示されています。>>日本整形外科学会|ぎっくり腰

要約すると「ぎっくり腰」は急に起こる強い腰痛を指す一般的な呼び名で、病名や診断名ではありません

主な原因は、腰の関節や椎間板への過負荷、または筋肉、腱、靭帯などの軟部組織の損傷などがあり、様々な要因や痛みが考えらます。

腰痛の原因について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。>>【重要】腰痛の原因について

腰痛診療ガイドライン2019によると、「腰痛の程度は発症後1か月で急速に改善するが、約60%の患者は12か月後も腰痛を有する」とされています。

理学療法士としては、このように腰痛をできる限り慢性化させないことが重要だと考えます。

医療機関の受診が勧められる急性腰痛

ぎっくり腰の痛みは自然に軽快することもありますが、以下の症状がある場合は医療機関への受診が勧められます。

受診が勧められる症状

  1. 転倒、転落などの外傷後の痛みで日常生活に支障がでる(骨折の可能性)
  2. 臥位でじっとしていても痛くて、楽な姿勢がない(重篤な疾患の可能性)
  3. 強い痛みが腎部から膝より下まで放散する(神経根症状)
  4. 会陰部周囲のしびれや痛熱感、あるいは尿が出にくい(馬尾症候群の可能性)
  5. 足に脱力がある。例えばかかと歩きが片足でしにくい(筋力低下)

    理学療法士の視点から見ると、やはり突然生じた腰痛は単なる腰痛ではなく、重篤な疾患の可能性も念頭に入れておく必要があるので、これらの症状などがある場合は自己管理せず、医療機関での診断を勧める場合があります。

    急性腰痛の一般的な対応法

    上記のような、重篤な疾患や神経性腰痛ではない、いわゆる『急性腰痛症』の一般的な対応法として、安静、薬物療法、ブロック療法、物理療法・装具療法、運動療法などがあります。

    1.安静

     “ぎっくり腰”になった場合、一般的に痛みが減るまで『安静』にすることが行われてきました。しかし、近年では『安静』による効果は低いとされる報告が多くあり、『安静』は勧められていません

    安静にすることで腰痛に対する誤った認知を強化する可能性があり、治療としては行うべきではないとのされています。

    過度な安静によって組織は回復せず、かつ身体能力が低下し、痛みが過敏となって、痛みが増強・慢性化することがあります。

     「そんなこと言っても、痛くて動けないよ。」

    このような声はよくお聞きしますが、大事なのは痛くない範囲で活動を行うことです。

    活動を行うことで、安静よりも早く痛みが改善すると報告されています。

    2.薬物療法

    腰痛診療ガイドライン2019では、非ステロイド性抗炎症薬が最もエビデンスレベルが高いとされています。

    つまり、急性腰痛では関節や筋肉の炎症が、痛みの主体と考えられます。

    3.ブロック療法

    急性腰痛に対して、硬膜外や神経根に対してのブロック療法が行われることがあります。

    腰痛診療ガイドライン2019では、鎮痛およびADLの向上という点ではほとんどの報告で短期および中期に及ぶ有効性が報告されていると記載されています。

    医師の判断にも委ねられますが、症状とリスクを考慮し最終的に判断する必要があります。

    4.物理療法

    温熱療法・・・患部周囲を温めることで、局所の血管拡張に伴い循環を向上させて、疾痛誘発物質の排除と鎮痛物質の拡散をはかるとされています。

    運動療法と併用されることが多く、短期的には有効とされています。

    牽引・・・腰痛診療ガイドライン2019では、腰痛患者の症状改善につながることは示されていないとされています。負荷量が強すぎると、症状の悪化や、関節・靭帯などの損傷リスクなどもあるため、最近では、牽引を行う病院も減ってきています。

    コルセット・・・一般的に処方されたりしますが、仮に使用しても急性期の“一時的”な利用が勧められます。慢性腰痛に対して、効果がないことは報告されていて、長期間の使用で筋の萎縮が起こるとされています。

    コルセットで脊柱(背骨)を固定することで、椎間板への栄養供給が阻害されてしまいます。

    5.運動療法

    急性腰痛に対して、効果的な運動療法は示されていません。理由としては、そもそも腰痛の原因が様々なため、どの急性腰痛にも効果があるという運動は研究で証明しにくいという背景があります。

    しかし、急性腰痛の痛みが関節や筋肉の炎症が主体で、安静が勧められていないことから、患部に負担をかけないようにコントロールしながら、適切な運動療法を勧める文献もあります。

    急性腰痛患者のうち約60%の患者が12か月後も腰痛を有するとされていることからも、ぎっくり腰などの急性腰痛は慢性腰痛に移行しやすくなります

    重要なのは、ぎっくり腰となったタイミング(早い時期)で、原因をしっかりと見極め、症状や病態に合わせて適切に対応することになります。

    できる限り早く痛みを改善し、日常的な活動を継続することが、慢性化の予防には非常に重要になります。

    優しさが裏目に出る??

    医療従事者として、患者さんが強い痛みが出ている状況では、「今は無理をせずゆっくり休みましょう」「動くと良くないですよ」など、一見優しい対応にも聞こえますが、実はこの声かけが、腰痛を長引かせる原因となる可能性があります。

    上述したように、急性腰痛では「安静」が勧められず、活動を維持することが推奨されていますが、先ほどのような医療従事者の声掛けなどがあると、「動いたら良くないんだ」と、誤った理解を促す可能性があるため注意する必要があります。

    人には、自分の考えを否定したくないという反応をとることがあるため、最初に関わる医療従事者の声掛けや対応により、その後の腰痛に対する理解や捉え方が変わり、予後に影響を与える可能性があります。

    この点は、専門家も患者さんも、知っておく必要があります。

    急性腰痛の対応

    ぎっくり腰の慢性化を防ぎ、早期に痛みを軽減させるために、適切な対応を心がけてみましょう。

    1.安静は避ける

    過度な安静は、痛みの慢性化や身体機能の低下を引き起こすため、痛みの程度に合わせて、日常での活動を行います。

    理学療法士としては、痛みを引き起こす姿勢や、動きを見極め、患部に負担のこない動かし方などの正しい動作指導を受けられることをお勧めします。

    2.固定は一時的に

    コルセットによる固定が長期化することで、組織の回復を制限し、身体機能の低下や腰痛の慢性化を引き起こす可能性があることを理解し、炎症の強い発症後すぐの数日間だけの利用にします。

    オススメ

    E-Rehaでは、テーピングを行い、関節や筋肉の運動の“補助”を行うことで、固定を行わず、痛みが出ないように活動が行えるようにしています。

    痛みの原因や、個人の特徴などによりテーピング方法も変わってくるため、痛みの原因を評価していくことが大事になります。

    3.痛み止め

    症状や原因にもよるため、医師の診察が勧められますが、抗炎症薬の効果はエビデンスレベルも高いため、湿布などの適切な使用は推奨されています。

    4.温める

    早期に痛みを緩和するために、お風呂やホットタオルなどで温めると効果的な場合があります。原因にもよりますが、痛みが強くならない範囲で温めてみてください。

    ぎっくり腰の予防法と注意点

    1.正しい姿勢をとる

    不良姿勢や長時間同じ姿勢をとることで、腰部への負担が増えることや、腰部周囲の筋肉に疲労や機能低下を起こす状況になってしまいます。

    日頃から、良い姿勢を意識してみましょう。

    2.定期的なストレッチ

    体幹や下肢の柔軟性を高くすることで、腰部にかかる負担を軽減することができますので、入浴後など定期的なストレッチを行ってみてください。

    年齢とともに柔軟性は低下していくので、日頃からの心がけが、将来的な腰痛リスクを低下させるためには重要です。

    3.適度な運動

    体幹や下肢の筋トレ、有酸素運動など、適度な運動も腰痛の予防には重要です。

    やり過ぎにより損傷することもあるため、適度な負荷で継続することがポイントです。

    4.体重管理

    痩せも肥満も腰痛を発症するリスクになります。

    筋力の問題や、姿勢の問題、痛みに対する抵抗力の問題など様々な要因から、体重と腰痛は関係しているため、体重管理には注意してみてください。

    5.作業環境の改善

    家庭や職場の環境も腰痛発症に影響を与えます。

    適切な温度や明るさを保つ配慮、椅子やデスク、モニターの高さ調整、床での生活スタイルからテーブルなどを利用する生活スタイルへ変更する、床に置いてある物を減らすなども腰痛対策になります。

    詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみてください。>>【要チェック】理学療法士が教える腰痛改善と予防のポイント

    『ぎっくり腰』は多くの方が経験する可能性のある症状で、突然の激しい腰痛で、医学的には「急性腰痛症」と呼ばれます。

    原因や要因などは様々あり、個人によって対応が変わってきます。適切な対応をしないと慢性化のリスクがあり、約60%の患者は1年後も腰痛が続くとされています。

    一般的に行われている対応が、実は効果が少ないとされていることもあるため、症状や特徴に合わせて適切に対応することが求められます。

    過度な安静は避け、痛みの範囲で活動しつつ、コルセットによる固定などにも注意が必要になります。

    E-Reha(イーリハ)では、理学療法士による丁寧で専門的な評価と施術を行い、『ぎっくり腰』 や腰痛に対して個別性のあるサポートを行います。

    ぎっくり腰でお悩みの方、再発に不安を感じている方はお気軽にご相談ください。

    E-Reha(イーリハ)

    〒880-0844  宮崎県宮崎市柳丸町153-1 パティオ柳丸D2-1

    宮崎市のリハビリ整体院、ゴルフ整体院

    参考文献

    1)森本忠嗣:急性腰痛一総論一.MB Orthop.30(8):1-6.2017.

    2)日本整形外科学会,日本腰痛学会・監:腰痛診療ガイドライン2019.南江堂.2019

    3)浅田史成:急性腰痛と慢性腰痛の予防対策~産業保健に関して~.理学療法湖都.第39号:6-10.2019.

    4)成田崇矢:腰痛急性期の運動療法.臨床スポーツ医学, Vol.37, No.9, 1086-1089, 2020.

    5)井尻慎一:クリニックにおけるリアルな腰痛診療.日本医事新報 (5008): 18-43, 2020.

    6)Bouwmeester, W., van Enst, A., van Tulder, M., et al.:Quality of low back pain guidelines improved. Spine.34:2562-2567.2009.

    7)松平浩ほか:腰痛とはどの部位の痛みをいうか.日本腰痛学会誌.7(1):49-54.2001.

    8)Hagen KB,et al:Bed rest for acute low-back pain and sciatica. Cochrane Database Syst Rev(6): CD001254. 2010

    9)田中一成, 白銀隆宏, 江頭誠:腰痛症 (非特異的腰痛症) に対するリハビリテーション.麻酔 64(7): 718-726, 2015.

    10)播广谷勝三:腰痛の診断・検査の進め方.臨牀と研究 99(12): 1416-1420, 2022.

    11)日本整形外科学会:ぎっくり腰|一般の方へ>症状・病気をしらべるhttps://www.joa.or.jp/public/sick/condition/acute_low_back.html

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