【必見】ゴルファーの体の痛みと可動域の関係

ゴルフは、男女問わず幅広い年代の方が楽しめるスポーツですが、実は怪我の多いスポーツでもあります。

ゴルフは偏ったスイングを繰り返し行う競技のため、体の可動性の問題が怪我のリスクに直結してきます。

この記事では、理学療法士の視点から見た、ゴルフに関する可動域と怪我との関係性について解説していきます。

ゴルフは見た目的には、誰にでもできて、激しい動きを伴わないスポーツに見えますが、実際には体全体にかなりの負担がかかるスポーツです。

スイングでは、全身を使って体をひねり、インパクトに向けて瞬間的に大きな力を発揮します。

このようなスイングを反復して行うゴルフでは、特定の関節や筋肉に過剰な負担がかかり、腰痛肩の痛み肘の痛みなどの『オーバーユース障害』を引き起こしやすくなります。

いわゆる“使いすぎ”です。

ゴルフ障害に関する報告では、プロゴルファーの60%、アマチュアゴルファーの40%が、2年間で何らかの『怪我』や『オーバーユース障害』を経験しているという報告もあります。

計703人のプロゴルファーとアマチュアゴルファーを対象とした調査では、526人(82.6%)がオーバーユースによる障害の経験があり、111人(17.4%)が1回の外傷経験があるという調査報告がされています。

ゴルフにおける実際の障害割合

ゴルフに伴う障害や外傷についてまとめた報告では、上肢の障害が全体の54%と最も多く、次いで脊椎が26.4%、下肢が11.0%、頚部が6.8%の割合とされています。

最も多い上肢の障害では、肘が41.3%、肩が32.5%、手が26.2%と報告されています。

次に多い脊椎の障害では、腰椎が61.9%、頸椎が33.3%、胸椎が4.8%とされています。

ゴルフ障害の多くは、反復練習やスイング中にボール以外のものを打ってしまうなどが原因で、インパクトとフォロースルーの際に多いとされています。

ゴルフに伴う代表的な障害

ゴルフに伴う代表的な障害として、部位ごとに下記のような障害が挙げられます。

腰痛

・ぎっくり腰

・腰椎椎間関節症

・筋・筋膜性腰痛症

・椎間板ヘルニア

肩の痛み

・腱板損傷

・肩関節周囲炎

・インピンジメント症候群

・筋損傷

肘の痛み

・ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)

・テニス肘(上腕骨外側上顆炎)

・関節炎

・腱鞘炎

Lindsayらは腰痛をきたす原因として、次の8つの原因を挙げています。

腰痛を引き起こす原因

(1)ゴルフスイングは椎間板にストレスをかける

(2)1回のスイングによるものではなく繰り返しの負荷により腰痛をきたす

(3)左右非対称のストレスが脊柱にかかり、利き手側の椎間関節,椎体に変性をきたす

(4)側屈したままのインパクトは利き手側の脊柱傷害、変性をきたす

(5)前かがみになる姿勢で、より急勾配のスイングプレーンを形成し、これによりダウンスイング時に垂直方向の負荷が強くなる

(6)トップとフィニッシュで脊柱を回旋し過ぎるゴルファーは腰痛をきたす

(7)体幹筋の使い方や筋持久力の問題があり、脊柱の保護ができていないことで腰痛が発生する

(8)股関節前面の筋肉のタイトネスによる股関節回旋制限では腰椎の代償性の回旋が加わるので腰痛をきたす

股関節の可動域制限と腰痛の関係

股関節の可動域制限と腰痛との関連を述べた報告もあり、前側の股関節内旋制限を認める場合、内旋制限なし群と比較し腰椎屈曲、腰部の左右の回旋、腰部の右側屈、骨盤後傾が有意に増大していたと報告されていて、ゴルフスイングと身体機能の代償および傷害の発生が関連すると言われていいます。

右打ちゴルファーの場合、左脚の股関節の可動域制限があると、骨盤が後継しやすく、腰で捻る動きが大きくなるということになるため、腰痛が発生しやすくなります。

胸郭の柔軟性と腰痛の関係

ゴルフスイングの際の、骨盤に対する肩の回旋角度を“X-factor”と呼び、この角度が大きいと飛距離が伸びるとされています。

この“X-factor”に関連するのが、胸椎・胸郭と腰椎部での回旋運動になりますが、腰椎の回旋角が大きいと腰痛を引き起こしやすいと言われています。

下の図は脊柱の各可動域を表した表になります。

水色の部分の回旋角度に注目してみてください。回旋の多くは腰椎レベルよりも、胸椎レベルで大きくなります

部分的に回旋が起こるのではなく、脊柱全体で少しずつ回旋した結果が全体の回旋角度になりますが、これらの角度を決める重要な要素が、各関節面の向きになります。

胸椎の関節面は、腰椎と比較すると、水平に近い構造をしているため、回旋が起きやすい構造をしています。

逆に、腰椎部は、胸椎と比較し、縦に近い構造をしているため、前屈や後屈など、前後の動きを行いやすい構造をしています。

そのため、関節の構造上、回旋に向かない腰椎部での回旋運動が大きくなることで、腰部への負担が大きくなり腰痛を引き起こしやすくなります。

腰痛のあるゴルファーの多くが、胸郭が固くなっているとされています。胸椎や胸郭が動きにくい状況で、過剰に腰部を捻るため、腰痛を引き起こす原因となっているため、このような場合は腰部よりも、原因である胸椎・胸郭部に目を向けていく必要があります。

ゴルフスイングはいくつかのフェーズに分けられます。

ゴルフ障害を把握する上で、スイングのどのタイミングで痛みが出るかは重要です。

各スイングフェーズごとに、関節・筋肉の働き方や必要となる動きが変わるため、発生しやすい障害はスイングフェーズごとに異なります。

バックスイング

・肘や手関節の腱炎・神経症

・手根背側靱帯の炎症

・右上腕骨外上顆炎(テニス肘)

・頚椎や腰椎の筋疼痛

インパクト

・手関節の腱炎や外上顆炎

・膝内側側副靱帯ストレス

・有鉤骨骨折

・手根管症候群

フォロースイング

・腰や背部の緊張、筋性疼痛

・足関節捻挫

・膝傷害

・股関節滑液包炎

・肩周辺の腱炎

ゴルフに伴う障害において、可動域の改善や怪我の予防には、動画を見てのストレッチや自己流のトレーニングだけでは不十分な場合があります。

痛みの出る原因が、可動性の問題か、筋力の問題か、スイングの問題なのかなど、しっかりと見極めていくことが重要になります。

怪我を予防し、パフォーマンスを向上させるためには、原因に対して適切な負荷量でのケアやトレーニングが必要になります。

E-Rehaでは以下のようなサポートを実施しています。

ゴルフボディチェック

ゴルフボディチェック 可動域やバランスなどの問題点をスクリーニング検査を通して、見つけていきます。 その後、理学療法士として、理学療法検査や整形テストなどを行い、さらに問題点を細かく分析していきます。

ゴルフスイングに関わる、全身の様々な動きをスクリーニングし、どの部位に動きの制限や機能低下があるかをチェックしていきます。

理学療法評価

理学療法士 認定理学療法士(運動器) 専門的な理学検査、整形テスト、スクリーニングテスト、姿勢分析、動作分析をもとに原因を徹底分析していきます。 カウンセリングを通して、お悩み事などもしっかりと伺います。お気軽に、気になることなど、なんでもお伝えください。

問題のある部位に対して、姿勢や可動域、筋力など、より専門的な検査を行い、原因を特定していきます。15年の病院勤務経験がある運動器認定理学療法士が、検査を行いますので、持病をお持ちの方も安心して相談をしていただけます。

専門施術

原因に対して、ストレッチやマッサージ、筋膜リリースなどから、各関節の動きの誘導などソフトな施術を行ないます。施術はバキバキ、ボキボキというような負担の大きい施術は行なっていません。

トレーニング

ゴルフ障害の予防や、パフォーマンス向上に向けた体幹や股関節などのトレーニングをお一人ごとのゴールに合わせてプログラムを組み実施しています。

セルフケア指導

専用アプリを使用して、お一人ごとにセルフケアを処方し、自宅でのケアをサポートさせていただきます。ウォーミングアップやクールダウンなども症状に合わせて提案しています。

『E-Reha(イーリハ)』では、ゴルファー向けの個別プログラムを提供し、パフォーマンス向上と怪我予防をサポートしています。体の可動域を改善し、怪我を未然に防ぐためのゴルフ専門整体は、宮崎市では数少ないサービスになります。お気軽にお問い合わせください。

ゴルフによる怪我を予防するためには、胸椎・胸郭や股関節の可動域や柔軟性を改善し、スイング時の負担を軽減することが重要になります。

多くのゴルフ障害は、オーバーユース(使いすぎ)により、偏った負担がかかることで引き起こされることが多いとされています。

改善には原因をしっかり特定していくことが重要で、効果的に改善するためには自己流のケアのみではなく、専門的なサポートも選択肢の一つになります。

Q1: ゴルフスイングで腰痛が起きやすい理由は?

胸椎・胸郭や股関節の可動域の制限などがある状態で、繰り返し腰部に負荷がかかることで、腰痛を引き起こしやすくなります。筋力や筋肉の硬さなども原因の一つになります。

Q2: どんなエクササイズが柔軟性を高めますか?

股関節や胸郭のストレッチなどが勧められますが、ストレッチポールなどを使ったトレーニングも効果的です。原因に対して、的確に、継続してトレーニングすることが重要です。

Q3: 専門家に相談するメリットは?

トレーニングなどは、動画やSNSなどで調べられますが、最も重要なのは痛みを引き起こす原因を把握することです。身体の状態を把握し、適切な施術やトレーニングを行うことでより効果的にケアをすることができるため、専門家にしっかりと身体を評価してもらうことはメリットになります。

E-Reha(イーリハ)

〒880-0844  宮崎県宮崎市柳丸町153-1 パティオ柳丸D2-1

宮崎市のリハビリ整体院、ゴルフ整体院

参考文献

  1. 鈴木一瑛, 浜田純一郎:ゴルフにより生じる障害・外傷,臨床スポーツ医学 33(3): 218-220, 2016.
  2. Gosheger G, et al:Injuries and overuse syndromes in golf. Am J Sports Med 31:438-443,2003
  3. 益財団法人日本生産性本部:レジャー白書2015
  4. Lindsay DM, et al:Golf-related low back pain:a review of causative factors and prevention strategies. Asian J Sports Med 5:e24289,2014
  5. Kim SB,et al:Lumbopelvic kinematic characteristics of golfers with limited hip rotation. Am J Sports Med 43:113-120,2014
  6. McCarroll JR, et al:Professional golfers and the price they pay. Phys Sportsmed 10:64-70,1982

ご予約・お問い合わせ

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バス停柳丸町から徒歩1分
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