【必見】『ゴルフの怪我』:部位別に解説

ゴルフによる怪我
ゴルフは高齢者から若年層まで幅広い年齢層が楽しめ、男女ともに人気のスポーツです。「レジャー白書2024」によると、日本のゴルフ人口は530万人、ゴルフ場市場規模は9,390億円となっています。1994年には約1,450万人だったゴルフ人口は減少傾向にありますが、今なお多くの方がゴルフをプレイしており、中高年でもプレイできる、高齢社会にもふさわしい生涯スポーツの一つです。
しかし、ゴルフは見た目的には、誰にでもできて、激しい動きを伴わないスポーツに見えますが、実際には体全体にかなりの負担がかかるスポーツで、プロゴルファーの約60%、アマチュアゴルファーの約40%が2年間で何らかの『怪我』や『オーバーユース障害』を経験しているという報告もあります。
主な怪我の種類と原因
ゴルフによる怪我は、「外傷」と「障害」の2種類に大別されます。外傷は転倒や打球の衝撃によるもの、障害はスイングの繰り返し動作などで体に負荷がかかることによって生じるものを言います。以下に代表的な怪我を挙げ、その原因を解説します。
外傷

ゴルフによる外傷は少ないですが、ゴルフ場という自然環境の中で歩いたり、スイングする中で事故的に起こる場合があります。
1.捻挫
木の根や穴に足を取られて捻挫するケースがあります。
2.骨折
傾斜面でバランスを崩したり、転倒する事で下肢や腰の骨折をするケースがあります。
3.アキレス腱断裂、肉離れ
傾斜面の登り降りや転倒などの際に、アキレス腱やハムストリングスなどの断裂や肉離れを引き起こすケースがあります。
4.打撲
ボールが飛来しての打撲や、素振りしたクラブが当たる事での打撲が発生するケースがあります。
障害
ゴルフによる障害の多くは、反復練習やスイング中にボール以外のものを打ってしまうなどが原因で、ゴルフに伴う障害や外傷についてまとめた報告では、上肢の障害が全体の54%と最も多く、次いで脊椎が26.4%、下肢が11.0%、頚部が6.8%の割合とされています。
1.脊椎の障害

・腰痛
ゴルファーの腰痛は右に多いとの報告があり、その症状や要因は様々あります。気になる方は、こちらも参考にしてみてください。>>【なるほど!】ゴルフ腰痛における姿勢の重要性
1)腰椎椎間関節症
プロ選手では約7,600N(ニュートン)、アマチュア選手でも約6,100Nもの圧力が腰椎にかかるとされ、スイング時の圧縮力は体重の8倍にも達し、椎間関節に大きな負担がかかるという報告もあります。
局所的な腰痛だけでなく、臀部や大腿部への放散痛が出る場合などもあり、“筋肉”による痛みとは区別されます。
2)椎間板ヘルニア
ゴルフのスイングは体幹を前傾させ、脊椎を横に倒し(側屈)ながら、体を捻る(回旋)動きを行います。この時、腰には圧縮される力に加え、捻る力も加わるため、背骨のクッション材としても機能する椎間板には複合的な過剰な力がかかり、椎間板ヘルニアを来す場合があります。
3)筋・筋膜性腰痛症
腰の筋肉による痛みは、筋肉だけでなく、骨に付着する腱の部分などでも起こります。スイングやアドレスの際に持続的に活動することや、急激に収縮することで、筋に負担がかかり痛みとなる場合があります。「反り腰」などの姿勢では、さらに腰部の筋群の活動量が上がってしまうため、筋性疼痛を引き起こすリスクが高くなり、椎間関節などへの負荷量も大きくなり、腰部障害を引き起こしやすくなります。
・頸部

1)頚椎疲労骨折
下を向いたままスイング動作を繰り返すメカニカルストレスが原因で、特に第七頚椎や第一胸椎の棘突起の疲労骨折(ショベラー骨折)が起こる場合があります。
「頭を動かすな」と言った指導がありますが、ゴルフのスイング時は、本来スイング動作での体の回旋と逆方向に首は回旋し、スイング中の頭の位置を保っています。頸部の可動性が低下している状況などで、繰り返しこの部分にストレスがかかることで、疲労骨折を引き起こすほど負担がかかる場合があります。
2)肩こり
肩こりは首や肩甲骨の周囲の筋群に繰り返し負担がかかることで、筋性の痛みが出る場合があります。特に胸椎の後弯が強い(猫背)姿勢では、頸部や肩甲骨の周りの筋肉への負担が大きくなり、体幹の回旋角度も減ってしまうため、ストレスが大きくかかってしまいます。
3)頸椎椎間板ヘルニア
腰の椎間板ヘルニアと同様に、スイング動作中に側屈、回旋に加え圧縮によるの複合的な力が繰り返し首にかかることで、ヘルニアを発症する場合があります。
2.下肢の障害

1)股関節周囲炎
ゴルフのスイングは、股関節の回旋運動を必要とするため、股関節に繰り返し回旋ストレスが加わることで炎症を起こす場合があります。
股関節の外側にある腸脛靭帯などにも繰り返しストレスがかかり炎症を起こす場合があります。
これらのストレスにより股関節外側に炎症を起こすことが多く、特に股関節の可動域制限がある場合は負荷増大するリスクがあります。
2)半月板損傷
スイングにおいて、バックスイングで膝を捻る動きや、インパクトからフォロースルーの中で、急激な体重移動やそれに伴う圧縮力と捩れの複合的な負荷が膝にかかり、半月板損傷を引き起こす場合があります。
半月板は膝のクッションのような役割を持つ組織ですが、圧縮されて捻れる刺激に弱く、ゴルフでは左打ちの場合は右膝、右打ちの場合は左膝に多く発生すると言われています。
3)アキレス腱周囲炎
スイングのなかで右足を蹴る動作や、歩行による負荷がアキレス腱に長時間、持続的に加わることで炎症を引き起こす場合があります。
ふくらはぎの筋肉の柔軟性や滑走性が低下すると、負荷が増加するとされています。
3.上肢の障害

1)ゴルフ肘
肘の内側にある内側上顆に付着する手首を曲げる筋肉群(円回内筋や橈側手根屈筋など)の付着部や、内側側副靱帯などに炎症が生じた状態です。
ダブることで肘に外反ストレス(外側に反る動き)が加わることや、グリップの強く握りすぎ、手首を手のひら側に強く曲げる動き(回内)などが繰り返し起こり、肘の内側に負担がかかることが原因で起こるとされています。
右打ちの場合は右肘に多いとされています。
2)テニス肘
肘の外側にある短榛側手根伸筋の付着部に炎症が起こる状態で、強くグリップすることやダフリなどが原因で起こるとされています。
リードアーム(右打ちの場合は左腕)でクラブを引っ張るような動作や手に頼ったスイングなどは、手首を反る(返す)動きを行う筋肉に繰り返し負担がかかるため、短榛側手根伸筋の付着部で炎症を引き起こしやすくなります。
右打ちの場合は左肘に多いとされています。
3)手首の障害
手首の障害にはTFCC損傷や腱鞘炎などが起こりやすいと言われています。
手首の小指側には「TFCC(三角線維軟骨複合体)」と言われる靭帯と軟骨の複合体があり、手首を安定させる役割があります。スイングにおいて手首をひねる動作やダフリなどの硬い地面を撃つことでの衝撃などにより損傷が起こりやすくなります。
腱鞘炎も強いグリップや手首の使いすぎにより、「腱鞘」と呼ばれる腱が滑らかに動くようにする組織と腱との間で炎症が起こった状態になります。
4)肩の痛み
肩の痛みに関しては、昔は左肩鎖関節障害(ゴルフ肩)などが多かったようですが、近年では減少し、腱板障害(ローテーターカフ障害)や肩関節周囲炎多くなています。
肩の障害は特に、右打ちの場合は左肩のリーディングアームに多いとされています。
いわゆる「手打ち」による使いすぎや、インパクトの際にボール以外のものを打ったりすることで、肩を損傷する場合があり、これには加齢などによる肩関節周囲の変化なども影響すると言われています。
怪我を防ぐためのポイント
1.正しいスイングの習得
不適切なスイングや偏ったスイングは、筋肉や関節に大きな負担をかけることになります。手打ちや体重移動が不十分なスイングなどが繰り返し行われることで、怪我の原因になりやすいため、負担の少ない適切なスイングは重要な要素になります。
2.柔軟性の向上
股関節や脊椎などの柔軟性が低い状態では、スイング時に体幹の動きが制限され、腰や肩に過剰な負担がかかります。怪我は負担がかかり過ぎた場所で発生しやすく、柔軟性の低い部位をかばって、過剰に負担がかかる関節や筋肉などで怪我が起こりやすくなります。
3.適切な準備運動
プレイ前や練習前に行うウォーミングアップやストレッチは、怪我の予防にはとても重要です。背骨や股関節、上肢帯など、全身をしっかりと動かすことが重要です。
4.適切な練習量
過度なストレスが繰り返しかかることで、怪我につながるため、練習量の調整は重要になります。痛みなど炎症が起こっている状況で、さらにその部分に負担をかけると、症状の悪化や慢性化にもつながるリスクがあります。
早期発見と予防の重要性
ゴルフによる怪我は、繰り返しや使い過ぎが原因で起こるとされています。早期に対処することで症状の悪化や慢性化を防ぐことができます。怪我の放置は、日常生活やプレーに支障をきたすだけでなく、痛みが広範囲に広がる可能性もあります。
体の柔軟性やバランスなどを整え、怪我を予防していくことも重要になります。
E-Reha(イーリハ)では、臨床経験豊富な理学療法士が、ゴルフ専門整体で、ゴルフ特有の体の動きや怪我に対してサポートしています。
体の可動域や痛みなど、お気軽にご相談ください。
まとめ
ゴルフは幅広い年齢層に愛されるスポーツですが、「腰痛」や「ゴルフ肘」など様々な怪我のリスクが伴います。長く楽しめるスポーツだからこそ、日頃から怪我の予防や早期の対応を行うことも大切になります。
怪我の予防には、正しいスイングや柔軟性の改善、適切な準備運動などが重要です。
是非、体に目を向け、ゴルフを楽しむ身体づくりを取り入れてみてください。
E-Reha(イーリハ)
〒880-0844 宮崎県宮崎市柳丸町153-1 パティオ柳丸D2-1
宮崎市のリハビリ整体院、ゴルフ整体院
参考文献
1)レジャー白書2024
2)谷啓之:ゴルフ.ナショナルチームドクター・トレーナーが書いた種目別スポーツ障害の診療,岩崎由純編,南江堂,東京,388-393,2014
3)岩本潤:ゴルフ障害・外傷の疫学.臨床スポーツ医学 33(3): 222-226, 2016.
4)渡會公治:ゴルフ障害・外傷とリハビリテーション.臨床スポーツ医学 33(3): 246-251, 2016.
5)鈴木一瑛, 浜田純一郎:ゴルフにより生じる障害・外傷.臨床スポーツ医学 33(3): 218-220, 2016.
6)田耕司ほか:中高年者のゴルフによる上肢障害.JCIin Rehabil 15:354-356,2006
7)Kim SB,et al:Lumbopelvic kinematic characteristics of golfers with limited hip rotation. Am J Sports Med 43:113-120,2014
8)Hosea TM,et al:Biomechanical analysis of the golfer’s back.Science and Golf:Proceedings of the First World Scientific Congress of Golf,Cochran AJ ed,E&FN Spon,London,43-48.1990
FAQコーナー
Q1: 我慢しても良い痛みと悪い痛みの見分け方はありますか?
A1: 痛みには自然に回復するものと、放置すると悪化する「警告サイン」としての痛みがあります。1週間以上続く痛みや、腫れや痺れ、熱感を伴う痛み、徐々に痛みが悪化する場合などは、我慢して放置せず専門家に相談されてください。
Q2:痛みを放っておくとどうなりますか?
A2: 痛みを放置することで、症状が悪化する場合や、痛みが長期的に持続する(慢性化)場合があります。また、痛みをかばう動作が繰り返されることで、別の部位に負担がかかり、さらなる怪我を誘発する可能性もあります。
日常生活にも支障をきたす場合もあるため、痛みが続く場合は、早期に対応することが重要になります。
Q3: 痛みがある場合は、病院と整体どちらに行くべきですか?
A3: 病院では画像診断(レントゲンやMRI)や専門的な診察を受けることができ、骨や靭帯などの重大な損傷がないか確認できるため、重症の場合や、緊急性の高い激しい痛みがある場合は早急に受診されてください。重症の場合は、リハビリなどを受けますが、痛みどめや電気治療などで経過を見ていく場合も多くあります。一方、整体では筋肉や関節に対して直接施術を受けて、痛みの緩和や原因の改善を図ります。
E-Reha(イーリハ)では、15年の病院勤務経験のある理学療法士が、医学的な知識をもとに評価、施術を行いサポートしています。状況によっては、病院をご紹介する場合もありますので、もし迷われた場合はお気軽にご相談ください。
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